今回の回答者:
ソニー銀行
商品企画部マネージャー
松本 えつ子

 国内銀行の業界団体である全国銀行協会は、オンラインバンキングにおいて個人の預金者が受けたフィッシング詐欺などの被害を原則として補償すると、申し合わせで決めています。

 補償があくまで「原則として」となっているのは、被害者である預金者に過失があったかどうか、それはどの程度かによって、補償額を減額する可能性があるからです。全国銀行協会の申し合わせでは、過失内容による減額は、各行で判断します。統一見解はありません。

 ソニー銀行では、利用者側に過失があったかどうかをまず大きく2つのポイントで確認して判断します。第1に、ログインに必要なトークンやパスワードをどのように取り扱っていたかという点です。第2に、オンラインバンキングに利用したパソコンの状態です。セキュリティソフトを導入して定義ファイルを定期的に更新していたか、OSなどのソフトウエアの修正プログラムを適宜適用していたか、といった点を確認します。

 これらのいずれかを守っていなくても、過失があったとすぐに認定するわけではありません。状況を総合的に見て判断します。

 なお個人が受けた、キャッシュカードによる不正出金の被害は、預金者保護法で補償されます。

 法人の預金者に対するオンラインバンキングの被害補償については、指針が2014年7月に発表されました。利用者(法人側)に補償の条件として、実施すべき統一した対策を示しています。ただし補償内容は、各行の判断になります。