社内のサーバー室で稼働させているコンピュータを、社外のコンピュータリソースを使うクラウドサービスに移行したら、省エネになるのでしょうか。ずばり、なります。クラウドサービスは、(1)コンピュータを効率よく冷やす空調が整ったデータセンターで提供している、(2)データセンターでコンピュータを集約するので機器の利用効率が高い――ためです。
(1)は空調の消費電力を下げる効果があります。コンピュータが稼働すると発生する熱を冷やす空調の消費電力を下げる工夫を施しています。その工夫とは、「高効率な空調設備を使い、最適な管理を行う」「コンピュータが排出する熱気が冷気と混ざらないようにする」などです。
一方、一般的な企業のサーバー室は部屋全体を冷やします。これでは空調の消費電力が下がりません。データセンターに移行するだけで、空調にかかる消費電力を15~30%削減できます。
さらに(2)の効果と合わせると、クラウドサービスに移行するだけで、コンピュータと空調にかかる消費電力は40%以上削減できると当協会は試算しています。
当協会では、東京都内だけでも100万台以上のサーバーが社内のサーバー室で運用されているとみています。これらは移行による大幅な消費電力の削減が可能です。
クラウドサービスを利用すると、その分ネットワーク機器などの消費電力は増える可能性はあります。しかし、その分を差し引いても消費電力は大きく下げられるでしょう。