(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)
(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)

今回の回答者:
東日本電信電話
ネットワーク事業推進本部 ネットワーク高度化部門
ネットワーク基盤担当 担当部長 滝口 英樹

ビジネス開発本部 第一部門
アクセスサービス担当 担当部長 橋本 毅政

 ネットワーク技術者は日頃の会話の中で、「ネットワークの品質が良い」と言ったりします。では、「品質が良いネットワーク」とはどういったものなのでしょう?

 インターネットのパケット通信のネットワークで品質の目安となる項目は、おおむね3つあります。「パケットロスが少ない」「遅延が小さい」「パケットの到達間隔の揺らぎが小さい」の3つです。

 「パケットロス」とは、送信したパケットのうち、宛先に届かなかったパケットの比率を指します。例えば、大量のトラフィックが流れてネットワークが混みあうと、パケットロスが大きくなります。企業ネットワークでは、パケットロスの少なさを品質の目安として重視する傾向があります。

 「遅延」とは、パケットが送信元から宛先に届くまでの時間です。「到達間隔の揺らぎ」とは、1つのパケットが届いてから、次のパケットが届くまでの間隔のバラつきです。パケットの到達間隔がバラつくと、アプリケーションが正常にパケットを受信できないことがあります。遅延や揺らぎは、どちらもミリ秒などの時間の長さで表します。

 エンドユーザーがアプリケーションを利用する場合は、用途によって重要視するポイントが変わります。例えば、生中継でのスポーツの動画配信や、音声通話などリアルタイムの通信では、揺らぎの小ささが重要です。ユーザーの操作が即座に反映されるのが望ましいオンラインゲームでは、遅延の小ささが重視されます。