ここのところ、米Amazon.comは矢継ぎ早に新サービスを投入している。例えば2016年9月には、米国のPrime会員向け特典として、定額制のオーディオブック配信サービス「Audible」の一部タイトルを追加料金なしで提供する「Audible Channels for Prime」を始めた。

 10月初旬には同じくPrime会員向けに「Prime Reading」と呼ぶ、電子書籍の読み放題サービスを開始。同月中旬には音楽ストリーミングの新サービス「Amazon Music Unlimited」を立ち上げた。

同社初の本格的音楽ストリーミング

 これらサービスのうち、最も話題を呼んだのは同社初の本格的音楽ストリーミング「Amazon Music Unlimited」だ。その料金は、一般会員向けは競合の米Appleや英Spotifyなどと同じく1カ月9.99ドルだが、Prime会員には月額7.99ドルと年額79ドルのプランを用意し、割安感を出している。

 実は同社は、以前から音楽聴き放題ストリーミングサービスを提供している。米国で年額99ドル、または月額10.99ドルで加入できるPrime会員向けの特典「Prime Music」がそれだ。日本でも2015年11月から年額3900円のPrime会員向けに同様のサービスを提供している。ただし、このPrime Musicで配信している楽曲の数は約200万曲(日本では約100万曲)にとどまる。

 これに対し、Amazon Music Unlimitedは数千万曲を用意しており、Appleなどの競合と本格的に対抗できる内容だ。またAmazonは販売が好調と言われる音声アシスタント端末「Echo」シリーズとの連携を図り、自社の強みを生かしたい考え。同社はEchoとの連携で2つの仕組みを用意している。