先ごろ、韓国Samsung Electronicsのアジアにおけるスマートフォンの市場シェアが低下したと伝えられた。同社は依然として世界市場で出荷台数が最も多いメーカー。だかここ最近はアジアをはじめとする新興国市場で台数が伸びず、苦戦している。

 市場調査会社の英Canalysによると、今年4~6月の中国におけるスマートフォン出荷台数は、同国のXiaomi(シャオミ=小米科技)が前年同期比240%増の1500万台となり、Samsungを抜いて初めて首位に浮上した。これに対し、Samsungは同15%減の1320万台で、約2年半ぶりに2位に転落した。

 また香港の市場調査会社、Counterpoint Technology Market Researchによると、4~6月のインドにおけるスマートフォンを含む携帯電話の出荷台数は、インドのメーカー、Micromax InformaticsがSamsungを上回り、初めて首位になった。スマートフォンではSamsungのシェアは25.3%で、同社は依然首位。だがここでもMicromaxが躍進しており、19.1%のシェアでSamsungに迫っている。

 米Wall Street Journalによると、Samsungは東南アジアでも首位を維持している。だが、そのシェアはインドネシア、マレーシア、ベトナムで軒並み低下している。

 こうした状況を反映してか、米IDCは先ごろ公表した世界スマートフォン市場調査でSamsungの出荷台数が3.9%減少したと報告した。一方で米Apple、中国Huawei Technologies(華為技術)、中国Lenovo Group(聯想集団)など上位5社は伸びており、中でもHuaweiとLenovoの成長は目覚ましいとIDCは報告している。

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 Samsungと言えばテレビなどの家電が中心の企業というイメージがあるが、ここ最近の主力製品はスマートフォンだ。例えば今年4~6月期の決算(PDF書類)を見ると、スマートフォンを手がけるIT・モバイル機器の事業の売上高が28兆4500億ウォンで最も多い。これに次いだのが半導体を含むデバイス事業で16兆2300億ウォン。これに対し家電事業の売上高は13兆ウォンだった。