ここのところ、「iPhone 6」との名で噂されている米Appleの新型スマートフォンの報道が盛んだ。iPhoneの次期モデルについては、画面サイズが現行の4インチよりも大きい、4.7インチ型と5.5インチ型の2モデルが登場するとの観測が出ているが、米Wall Street Journalによると、Appleはいずれのモデルについても、すでに大手製造受託業者2社に量産を依頼した。

 2社とは、中国Foxconn Technology(富士康科技)を傘下に持つ台湾Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)と、台湾Pegatron(和碩聯合科技)。この報道に先立ち、台湾の経済日報(Economic Daily News)は、2社が新型iPhoneを製造するため、雇用を増やすと伝えていた。Wall Street Journalによると、Hon HaiとPegatronはともに8月から4.7インチモデルの量産を開始する。5.5インチモデルについてはHon Haiが独占で製造を請け負い、9月に量産を始めるという。

iPhone 6、年内に過去最大の8000万台生産へ

 Appleは昨年の今ごろ、アジアの製造業者にiPhone 5sと同5cの製造を依頼したが、その際の発注台数は5000万~6000万台だった。ところが今年は年末までに4.7インチ型と5.5インチ型合わせて7000万台~8000万台を生産するよう依頼しており、iPhoneの初期出荷分としては過去最大となる見通しだ。

 Appleが生産台数を増やしたのには二つの理由があるとWall Street Journalは報じている。一つは、今年1月からiPhoneの通信サービスを開始した中国最大の携帯電話会社China Mobile(中国移動)の顧客需要を見込んでいるため。

 もう一つは、中国などの新興国市場で大型スマートフォン(ファブレット)の人気が高まっているため。Appleは画面サイズの大きな新モデルでそうした顧客層を取り込みたい考えという。