米Amazon.comが今年(2017年)はじめに公表した資料によると、同社が外部の小売業者に代わって商品の保管と配送業務などを行うサービス「Fulfillment by Amazon(FBA)」は、その取扱量が飛躍的に増えたという。

 このサービスを利用した2016年の世界商品配送個数は20億個を超え、約10億個だった2015年の約2倍の取り扱い量を達成した。またFBAを利用する外部小売業者の数は、2016年に約70%増加。米国外における配送個数は約80%増えた。

 現在FBAを利用している小売業者は世界130カ国以上におり、それらの商品は世界185カ国の顧客に販売されているという。そしてAmazonは今後も多くの業者にFBAを利用してもらいたいと考えている。

 というのもFBAは、Amazonと小売業者の双方にとって大きなメリットがあると見られているからだ。その仕組みは次のようなものになる。

 外部の小売業者は商品をAmazonに登録したのち、Amazonの倉庫に商品を納入することで、それら自社商品を会員制有料プログラム「Prime」の対象にすることができる。

 Amazonに商品の注文が入ると、同社が業者に代わり梱包と配送、顧客サポートなどを行う。これにより、顧客は急ぎ便や送料無料サービスといったPrime特典を利用して商品を入手でき、返品などの手続きも容易になる。また外部業者は、Amazonの一般会員よりも商品購入が多いと言われるPrime会員に向けて、自社商品を売りやすくなる。

 一方で、Amazonは業者から在庫保管手数料と配送代行手数料を受け取っており、自社で仕入れて販売する商品とは別に収益源を確保している。

 Amazonによると、在庫保管手数料とは商品のサイズと保管日数に応じた手数料。配送代行手数料は出荷作業や発送重量にかかる手数料とのことだが、海外メディアはAmazonはこれらの料金として販売価格の10~15%を受け取っていると伝えている。

 これは、Amazonが自らが商品を仕入れて販売するよりも高い利益率だ。これに加えAmazonは、より低コストで商品数を増やすことができる。外部業者の活用は同社にとってメリットが大きいと言われている。

【関連記事】