突然ですがここでいくつか問題を出します。

問1:同じスーパーチェーンの郊外ロードサイド店と駅前店で、同じ商品を同額の値引きで売るとします。どちらの店舗の売り上げが伸びるでしょうか。ただし他チェーンとの競合状況などは同じとします。

問2:商品Aの売り上げが好調なある企業が、さらに類似商品Bを発売しました。商品Bより優れた商品Aのほうが引き続き売れると思うのですが、その目的は何でしょうか。

問3:新製品開発のため調査を行ったところ、消費者は値段が高くても特定の製品スペックが高い方がいいと考えているという結果が得られました。その結果を踏まえて、スペックを重視した「値段が高めの製品」を発売しても問題ないでしょうか。

問4:家電量販店に行くとたくさんの種類のスマートフォンが陳列されています。消費者はどのように選んでいるのでしょうか。

 これらの問題を見て、「そんなの実際に分析しないと分からないだろう」と思うかもしれません。しかし上記の問題はデータを取らずとも、人の性質や行動に基づいて消費・投資などの経済活動を研究する行動経済学や心理学の知見から、事前に答えを予想できるものばかりです。逆にいえば、その答えがもし実際のデータ分析の結果と違えば「何か特別な要因が働いているので、さらに突き詰めるに値する」と言えます。