新年、あけましておめでとうございます。

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地上波の放送事業者を巻き込み、ネット配信が新たな展開へ

 2015年も通信・放送の分野では様々な動きが起こりそうだが、メディア的な観点から大きな話題の一つになりそうなのが、放送事業者による「ネットを利用した動画配信」である。

 NHKは、2014年10月にインターネット実施基準要綱を発表し意見募集結果も踏まえて、インターネット実施基準案を作成、11月に総務大臣に認可申請を示した。12月には認可に向けた総務省の考え方が示され、パブリックコメント(意見公募)が始まっている。恐らく今春には、新しい実施基準に基づき、動画提供を含むインターネット経由の様々なサービスが始まる見通しだ。

 一方、民放側は既に東京キー局などを中心に個別に様々な取り組みが進められているが、昨年は日本民間放送連盟の井上弘会長が2014年9月の定例会見で「民放連として放送のメディア価値向上に関する幅広い検討を指示した」「民放連の業務としての位置づけではないが、見逃し視聴サービスについての検討を在京キー5局で行うことで意見がまとまった」ことを報告し、大きな話題となった。ここでいう見逃し視聴サービスは、CM付き無料見逃し配信サービスが想定されている。