「Android Wear」は、2014年6月にグーグルが開催した開発者向けカンファレンス「Google I/O 2014」で登場した、スマートウォッチをはじめとするウエアラブルデバイス向けのOSだ。

 それまで各メーカーが独自に作り込んでいたスマートウォッチのソフトウエアプラットフォームを統一し、アプリ開発やアプリストアの一元化した。この共通OSの登場により、スマートウォッチ市場が大きく拡大する兆しを見せている。

 特集第2回は、登場から半年が経過したAndroid Wearについて、これまでの動向を振り返っていく。

Androidスマートウォッチの標準化が実現

 グーグルがAndroid Wearを発表する以前から、スマートウォッチにはさまざまな種類の製品が存在していた。ただ、それらはOSが統一されていないため、操作性やアプリプラットフォームが機種によって大きく異なっていた。

 また、Androidはオープンソースとしても提供されており、メーカーによるカスタマイズが可能だ。これを利用して、スマートウォッチ向けのAndroidを独自にカスタムメイドする動きも出始めていた。

 例えば2013年に登場したソニーモバイルの「SmartWatch 2」や、サムスン電子の「GALAXY Gear」はAndroidベースのカスタムOSを搭載。2014年1月時点でも、BURGやNeptuneなどのスマートウォッチが登場(写真1)。これらの端末はいずれもAndroidベースながら、OSは独自のカスタマイズにより微妙に異なるものとなっていた。

写真1●QWERTYキーボードによる文字入力も可能なAndroidベースの「Neptune Pine」
写真1●QWERTYキーボードによる文字入力も可能なAndroidベースの「Neptune Pine」
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 グーグルがAndroid Wearを発表したことで、ようやくスマートウォッチのOSが統一された。アプリ開発者にしてみれば、Android Wear向けにアプリを作ることで、同OSが動作する端末での動作を期待できる。アプリストアも、既に多くのAndroidユーザーがクレジットカード情報を登録しているGoogle Playを利用できるようになった。