みなさん、こんにちは。hifiveエヴァンジェリストの中津川です。前回はHTML5で加わった新しい仕様や機能のうち、業務システムを開発するうえで役立つものを中心に取り上げました。今回はさらに掘り下げて、業務Webアプリケーション開発という観点からHTML5がどう活用できるのかを紹介します。

 企業システム、とりわけ情報系システムにおいては、日々蓄積される大量の業務データに対して、仮説に基づき様々な観点から情報の抽出が行われています。HTML5を使えば、こうして抽出した情報を「チャート(グラフ)」や「グリッド」、「図形」などを用いて可視化することが比較的容易に実現できます。これら三つはデータ可視化における「三種の神器」と言えるものです。以下、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.チャート(グラフ)

 業務で発生するデータを可視化する際には、「チャート(グラフ)」がよく使われます。棒グラフや円グラフ、折れ線グラフ、積み上げグラフ、ローソクチャートなどが代表的です。売り上げなどを可視化するだけでなく、ITリソースの負荷状況など刻々と変化するデータの変化を追う目的でもチャートによる可視化は有効です。

 ビッグデータというキーワードに代表されるように、最近は「企業内にある大量のデータをいかにビジネスに有効活用できるようにするか」が多くの企業ユーザーにとっての課題となっています。しかし、漫然とデータを眺めていてもそうした活用法のアイデアは出てきません。様々な切り口で集計し、チャートを使って可視化することなどにより、活用のヒントとなるトレンドを見いだす必要があります。