みなさん、こんにちは。MOONGIFTの中津川です。開発者に対して情報発信などを行う「hifiveエヴァンジェリスト」としてhifive開発チームと一緒に活動しています。

 第1回では、HTML5を使った業務システムの開発を検討するに当たって、まず押さえておくべき基本的な知識を中心に解説しました。今回は、それを踏まえてより実践的に、HTML5が現在どのように進化しており、業務システムを開発する中でどう役立つのかを紹介します。

 なお、前回も説明した通り、広義のHTML5が指す仕様の範囲はとても広く、様々な関連仕様が存在します。全てを網羅的に説明することはとても無理なので、今回は業務システムを開発する上で特に役立ちそうな仕様を中心に見ていきましょう。

フォーム入力

 従来のHTML4(HTML4.1)がサポートしている入力フォーム関連のコンポーネント(UI部品)は、テキストボックスやドロップダウンリスト、チェックボックス、ラジオボタンなど必要最低限のものしかありません。Webシステムを開発する際、この標準で用意されているコンポーネントが少ないことは、開発生産性の観点などから悩みのタネとなっていました。

 例えば、「日付入力を行いたい時にカレンダーを表示する」「フォーム送信前にブラウザ-上で入力内容のチェックを行ってエラー表示する」というのはよくあるケースです。しかし、これらはサイトやシステムごとに個別に実装していました。