量子コンピュータ、海外での大型システム開発案件の受注、ITサービス産業やシステム部門の構造改革――。今、IT人材の多くが、最先端技術で未来を切り開き、過去の様々な問題を解決するための変革に挑もうとしている。2014年の「情報システム」のランキングを見て、こう感じた。

 ランキング1位の記事は、「(【驚愕の量子コンピュータ】[量子コンピュータ1]突然商用化した夢のマシン)」。「量子力学」の原理を応用して演算を行う「量子コンピュータ」。既存のコンピュータに比べて圧倒的に高速に計算できる「夢のマシン」の商用化が既に始まっている。

 カナダD-Wave Systemsが開発し、米グーグルや米航空宇宙局(NASA)が導入した量子コンピュータ「D-Wave」だ。 その正体に迫った意欲作である。量子コンピュータをテーマにした「(【驚愕の量子コンピュータ】[量子コンピュータ2]宇宙一冷たい場所で動く)」も、10位にランクインした。

 2位の「(【記者の眼】バチカンとNTTデータ、想像を絶する交渉の舞台裏)」も目を引く。NTTデータは2014年3月、バチカン市国のバチカン図書館が所蔵する文献のデジタル化プロジェクトを23億円で受注したと発表した。

 この記事は、NTTデータとバチカン図書館の間で繰り広げられた提案活動の知られざる事実に切り込んでいる。ITサービス会社にとってもグローバル化は経営課題。多くのIT担当者が、事業のグローバル化に役立つヒントを探り、自分たちも変革したいと考えているのではないだろうか。

 変革――。ITサービス業界やユーザー企業のシステム部門の課題や改革の必要性を提示する記事も人気を集めた。「(【記者の眼】「SIガラパゴス」を育んだIT部門の罪)」が5位にランクインした。

 さらに8位の「(【木村岳史の極言暴論】ベンダーとIT部門がぶち切れた“仕打ち”の理由)」、「(【木村岳史の極言暴論】元ソニーCIOと対決前夜! -【第2回】劣化の進んだIT部門の再建は不可能)」(20位)など、システム部門が直面する様々な問題点を筆者が鋭く切り込んでいる。

2014年情報システム関連記事ランキング
(2014年1月1日~12月7日)
1位【驚愕の量子コンピュータ】[量子コンピュータ1]突然商用化した夢のマシン
2位【記者の眼】バチカンとNTTデータ、想像を絶する交渉の舞台裏
3位【記者の眼】トレンドマイクロとヤフーの失敗から考える、アルゴリズム依存の功罪
4位【週末スペシャル】iPad Air 2を10日間使い込んだリアルな感想
5位【記者の眼】「SIガラパゴス」を育んだIT部門の罪
6位【Windowsトピックス】どうなるVAIO? ソニーのPC事業を検証する
7位【ニュース】横浜銀行データ不正取得事件で富士通フロンテックが説明、謝罪会見一問一答
8位【木村岳史の極言暴論】ベンダーとIT部門がぶち切れた“仕打ち”の理由
9位【記者の眼】「20代で頭を鍛え損なった人がすべきこと」に取り組む50代のある半日
10位【驚愕の量子コンピュータ】[量子コンピュータ2]宇宙一冷たい場所で動く
11位【ここが満足・不満足!パソコン満足度ランキング2013】[1:総合ランキング]ユーザーが“買ってよかった”と満足したパソコンメーカー第1位は?
12位【記者の眼】なぜExcel表のタイトルは左上なのか
13位【News & Trend】「IT技術者を社会から尊敬される職業に」、情報処理学会が新資格制度を始めた理由
14位【今週のITpro検定】SE派遣3社が行政処分、その理由は?
15位【木村岳史の極言暴論】絶対に事故を起す自動運転車の「恐ろしい未来」
16位【ニュース】対象者は4000万人超か、ベネッセ個人情報漏えいの調査経緯
17位【ITサービス企業業績ランキング】給与ランキング:SIerでは年収800万円が相場
18位【ITプロフェッショナルのための「ももクロ論」補論】ITpro EXPOに出現したももクロ、なぜ安易な読み解きを拒絶するのか
19位【週末スペシャル】Xperiaの新タブレットはiPad Airに勝てているのか?
20位【木村岳史の極言暴論】元ソニーCIOと対決前夜! -【第2回】劣化の進んだIT部門の再建は不可能