「機械学習」という言葉が人口に膾炙し、ビッグデータ活用の未来が見えてきた2014年。様々なユーザー事例が登場し、ビッグデータが身近になってきた1年でもあった。中でも、センサーに代表されるモノが発する情報を利用する「IoT(Internet of Things)」は、一大カテゴリーとして2015年も注目を集めそうだ。一方で、パーソナルデータの取り扱いやセキュリティ対策など、データ活用が進むにつれて、課題も顕在化してきた。

 ランキング1位は、「【「機械学習」革命】~的中したビル・ゲイツの予言」だ。コンピュータ自らがデータの中から知識やルールを自動的に獲得する機械学習。人間の様々な仕事が機械に置き換えられてしまう未来が、切実なものとして迫ってくる。

 ランキングには数多くの事例が並び、今後のビッグデータ活用のヒントになる。第4位「【記者の眼】2月に積もった「大雪ビッグデータ」、山梨の危機を“感測”で検知」は、全国に600万人いるウェザーリポーターが気象情報を寄せる、一般人参加型の事例。第6位「【記者の眼】セブンとユニクロを“超えた”作業服販売チェーン、ビッグデータで発注自動化」は、“身の丈”に合ったデータの利活用を薦める。

 データ活用の一大潮流になってきたIoTの事例、 「【IoTで進化する、小売・流通の最前線】 駐車場綜研、自動車ナンバープレート解析」は7位に入った。18位「【ニュース】ヤフーとCCC、Tカード購買履歴とWeb閲覧履歴を相互提供へ」が実践するように、企業間をまたがったデータ利活用も今後、さらに進みそうだ。

 ビッグデータを活用するためのツールに目を転じると、分散処理ソフト「Hadoop」の進化に要注目だ。16位「【ビッグデータを支える人々】MapReduceは「ゆっくり死んでいく」、Hadoop開発者のカッティング氏」、19位「【News & Trend】次世代Hadoop最有力候補の「Spark」、動き始めたエコシステム」にあるように、2014年にSparkが躍り出てきた。

 データ活用の機運が高まる一方で、セキュリティやプライバシー保護などの課題に突き当たるケースも増えている。5位「【News & Trend】50人対象に規模縮小、大阪駅ビル「顔画像追跡」実験の誤算」は、その典型例である。10位「【記者の眼】あなたの行動データを利用しているのは誰?「Ghostery」で「パーソナルデータ」を考える」が示唆するように、「ビッグデータとプライバシー」に関する議論も2015年は深まりそうだ。

2014年ビッグデータ関連記事ランキング
(2014年1月1日~12月7日)
1位【「機械学習」革命】 ~的中したビル・ゲイツの予言
2位【記者の眼】メモリー頼みの「罪と蜜」、あの職人技は今いずこ
3位【記者の眼】STAP騒動をSTOPできた? 「電子実験ノート」の実力
4位【記者の眼】2月に積もった「大雪ビッグデータ」、山梨の危機を“感測”で検知
5位【News & Trend】50人対象に規模縮小、大阪駅ビル「顔画像追跡」実験の誤算
6位【記者の眼】セブンとユニクロを“超えた”作業服販売チェーン、ビッグデータで発注自動化
7位【IoTで進化する、小売・流通の最前線】 駐車場綜研、自動車ナンバープレート解析
8位【使って分かった!「安・速・易」のビッグデータ分析ツール選び】
9位【記者の眼】イマドキのカラオケはビッグデータの塊だった
10位【記者の眼】あなたの行動データを利用しているのは誰?「Ghostery」で「パーソナルデータ」を考える
11位【ビッグデータ基盤、注目の3分野】性能のためにHDDを並べるのはムダ
12位【News & Trend】スマートフォンより小さいIAサーバーが実現
13位【記者の眼】「人事を科学する」──ブラック企業問題を解決できるか?
14位【記者の眼】ビッグデータ分析で情シス“中抜き”のピンチ?
15位【記者の眼】「お・も・て・な・し」でグロースハッカーが大活躍
16位【ビッグデータを支える人々】MapReduceは「ゆっくり死んでいく」、Hadoop開発者のカッティング氏
17位【記者の眼】データサイエンティストのやる気をくじく「がっかりワード」
18位【ニュース】ヤフーとCCC、Tカード購買履歴とWeb閲覧履歴を相互提供へ
19位【News & Trend】次世代Hadoop最有力候補の「Spark」、動き始めたエコシステム
20位【データ分析で勝つ会社】ドコモ関西支社、スマホの解約予兆モデルでDM効果が3倍に