海外発IT関連ニュースを発信する「CIO」「Computerworld」。その中で注目を集めた記事は国内発のニュース同様、やはりセキュリティや米アップルの製品に関する記事だ。国内のIT関連トレンドは、特定の国内ベンダーや規制産業、国内固有の話題(人手不足やマイナンバー)を除けば世界のトレンドとそれほど大きくは変わらない。というよりも、むしろ国内のITトレンドは基本的に海外発。特に米国の影響が大きい。その意味でCIOやComputerworldの記事は海外発だからといっても決して遠い話でなく、むしろ国内よりも先行していることもある。
1位にランクインしたのは、SSL 3.0の脆弱性を取り上げた「SSL 3.0の深刻な脆弱性「POODLE」、専門家が警告」。SSL 3.0は、インターネットでのデータのやり取りに関わるものであり、SSL 3.0が古いプロトコルであるとはいえ、いまだに使われている。それだけに、国内外を問わず注目を集めた。2014年は、例えばOpenSSLの「Heartbleed」、16位にランクインしたbashの「ShellShock」など脆弱性に“名前”が付けられるようになったが、このSSL 3.0の脆弱性は「POODLE(Padding Oracle On Downgraded Legacy Encryption)」と名付けられた。
トップを飾ったのはセキュリティの記事だったが、ベスト20のランキングを見ると、アップル関連の記事が多数ランクインしていることが目につく。8位「iPhone一筋のユーザーがAndroidを試してみた(上)」、10位「iPhone一筋のユーザーがAndroidを試してみた(下)」、12位「Appleの新言語Swift、10の特徴(前)」、15位「iPhoneの大型化、言うほどの需要はない?」、19位「Apple、6月2日のWWDC基調講演で「iOS 8」「OS X 10.10」を発表へ」といったように、iPhoneなどアップル関連の記事がランクインしている。
iPhone 6などの注目製品がランクインするのは納得だが、同社が6月に発表した新しいプログラミング言語である「Swift」の解説記事が12位にランクインしている点は要注目だ(Appleの新言語Swift、10の特徴(前))。Swiftの特徴を平易に解説しており、国内発の記事では満たせないニーズを、こうした海外発のニュースが補っている様子がうかがえる。
“アップル全盛“の中、Windowsに対する情報ニーズがまだまだ高いこともランキングからは分かる。3位、6位、9位にWindowsの記事がランクインしている。マイクロソフトという切り口で見れば、これら以外に「Surface Pro 3」に関する「Surface Pro 3、『PCとしてもタブレットとしても画面サイズが中途半端』との評」が4位に、「Office 365 Peronal」に関する「Microsoft、『Office 365 Personal』でiPad/Android版アプリを提供か」の記事が17位に入っており、アップル関連記事と並ぶ本数になる。
3位に入った「次期Windowsが『9』でない理由、Windows 95/98向けコードとの互換性か」では、「9」を飛ばして「10」にする理由として「レガシーコード」を挙げている。その先は一体何か。ぜひ該当記事を読んでいただきたい。