中国・アジア関連では、今年は韓国関連の記事が多数ランクインした。なんとトップ20のうち、11本が韓国および韓国企業に関する記事だった。2013年は、中国に関する記事が多数だったのに比べると、様変わりである([中国・アジア]為替や尖閣問題でリスク高まる中国ビジネス)。

 その韓国関連の記事の中でも、目立ったのがサムスンに関する記事だ。トップ10だけでも、1位、5位~8位の5本がランクイン。実に半分がサムスン関連だった。

 ただし、記事の内容は以前とは変わってきている。以前は、スマートフォン分野などでのサムスンの快進撃を報じる記事が多かった。今年の記事は、「Appleの次はGoogleをコピーする、Samsungの挑戦と限界」、 「不振続くサムスンは凋落するのか、5年後の携帯シェア首位は誰の手に?」などに代表されるように、成長の陰りや負の側面を報じる内容が目立った。サムスン以外でも、日本でも大人気のコミュニケーションアプリであるLINEの盗聴疑惑を報じる記事(韓国によるLINE盗聴疑惑、日本のユーザーはどう対処すべきか)もアクセスを集めた。

 この背景には、実際にこれまで急激な成長を続けてきているサムスンが、踊り場にさしかかっているという事実がある。一方LINEもサムスンも、日本人が大きな関心を抱くような強大なプレーヤーになったという要素も影響していると考えられる。果たして2015年の韓国関連の記事は、どんなトーンになるのだろうか。

 韓国以外では、やはり中国の記事がランクインした。中でも2015年に注目なのは、中国の携帯電話メーカー「Xiaomi(小米・シャオミ)」(iPhone丸ごとコピーかイノベーションか、Xiaomi(小米・シャオミ)快進撃の理由)である。既に四半期ベースでは、Xiaomiは中国におけるスマホ出荷台数でサムスンを抜き首位に躍り出た。国外でも、7月からインドで販売を開始し、今後はインドネシア、タイ、ブラジル、メキシコに市場を拡大するとしている。果たして今年、どれだけ存在感が増してくるか、注目に値する。

 

2014年中国・アジア関連記事ランキング
(2014年1月1日~12月7日)
1位【未来の技術の実験場──シリコンバレーの最先端を追う】Appleの次はGoogleをコピーする、Samsungの挑戦と限界
2位【週末スペシャル】Windows XPの“サポート”は終わるのか? 中国PC最新事情
3位【西本逸郎のIT社会サバイバル術 】韓国によるLINE盗聴疑惑、日本のユーザーはどう対処すべきか
4位【宮本和明のシリコンバレーの最先端技術報告】iPhone丸ごとコピーかイノベーションか、Xiaomi(小米・シャオミ)快進撃の理由
5位【週末スペシャル】“腕時計をしない派”でもスマートウォッチは使ってみる価値アリ!
6位【情総研レポート】不振続くサムスンは凋落するのか、5年後の携帯シェア首位は誰の手に?
7位【ネットワーク・ホットトピックス】サムスン製スマホに「バックドア」見つかる、モデムがファイルを閲覧・操作可能
8位【西本逸郎のIT社会サバイバル術 】サムスンのスマホに付いていたバックドア IoT時代に問われる説明責任
9位【東南アジアで勝てる!日本人育成術】第5回 英語編:日本人の語学力を上げる方法
10位【News & Trend】「二重苦」に苦しむ米国大手ITベンダー ハードウエアと中国事業が足かせに
11位【見落としがちなグローバル化の落とし穴】第17回●海外赴任不人気時代に、企業が最も欲しいグローバル人材とは
12位【セキュリティ・ホットトピックス】「GOM Player」ウイルス問題、韓国では「違法ダウンロード動画用の“過去のソフト”」との認識
13位【Korea on the Web】サムスン電子のiPhone 6対抗戦略、囲い込み戦略も効果なし?
14位【情総研レポート】中国が独自OSで米国支配に挑戦状、国内での普及を受け新興国へ
15位【週末スペシャル】LINEのおかげで韓国NAVERの株価が上昇、サムスンを超えるという声まで
16位【iPhone 6/Apple Watchの登場、私はこう見る】「iPhone 6は革新がない」と韓国メディアは酷評、ユーザーは「価格次第で乗り換える」と期待
17位【東南アジアで勝てる!日本人育成術】第1回 東南アジアで勝ち続ける日本人は、何を持っているのか?(前編)
18位【Korea on the Web】アップルの次はソニーとファーウェイに注目、韓国スマートフォン市場に変化
19位【週末スペシャル】シャープの“ドラえもん戦略”、ASEAN市場を攻略できるか
20位【IT官民連合、5年目の果実】アジアの基幹システム、続々受注