クラウドの活用は日本企業にとっても当たり前のことになった。2014年の「クラウド」分野の記事ランキングはそのことを如実に示している。読者の興味の中心はベンダーの新サービスの記事よりも、大手企業による活用事例やクラウドを使いこなす上でのポイントを解説した記事にシフトしている。

 2014年のランキングで特に目立つのは、ユーザーに注意を促すような記事だ。3位に入った「“ホテル・カリフォルニア”クラウドにご用心 」は、クラウドが顧客の「ロックイン」を招くのでは無いかと懸念を示したもの。9位の「【「クラウドが安い」は本当か】[1]クラウドは決して安くない」や10位の「【はじめてのAWS、“つまずきポイント”はココだ!】[AWS運用ポイント1]知らないうちに割高に」はいずれも、クラウドの料金に着目した「落とし穴」系の記事である。

 「落とし穴」系の記事とは、新技術や新サービスを使うのが当たり前になった時期に、その技術やサービスを使う上での注意点を解説するというスタイルの記事である。「落とし穴」系の記事が人気を集めるようになったというところに、クラウド利用の成熟を感じさせる。

 事例に関しては、丸紅やローソン、日本通運といった大企業によるクラウドの全面採用を伝える記事に注目が集まった。6位に入った「丸紅がアマゾンへ全面移行」や、18位の「ローソンや日通がAWSへ全面移行、AWS Summitで明らかに」などである。

 大手ユーザー企業の動きを受けて、大手通信事業者や日本IBMなど既存の大手ベンダーも、クラウドへのシフトを加速している。それらを報じた「【岐路に立つキャリアクラウド】通信事業者ごとに戦略が分化、キャリアクラウド第2幕へ 」や、「米系クラウド大手が日本で相次ぎデータセンター開業」もランキング上位に入った。

2014年クラウド関連記事ランキング
(2014年1月1日~12月7日)
1位【Cloud Days 2014】「第8回クラウドランキング」、41ベストサービス/14ベストブランドを発表
2位【記者の眼】2014年、ITの絶対的ポイント話します
3位【記者の眼】“ホテル・カリフォルニア”クラウドにご用心
4位【News & Trend】“IT不毛の地”を開拓するベンチャー発クラウドサービス
5位【ニュース】「第9回クラウドランキング」、43ベストサービス/12ベストブランドを発表
6位【News & Trend】丸紅がアマゾンへ全面移行
7位【岐路に立つキャリアクラウド】通信事業者ごとに戦略が分化、キャリアクラウド第2幕へ
8位【News & Trend】独立系クラウド事業者、上場延期や身売り先探し相次ぐ
9位【「クラウドが安い」は本当か】[1]クラウドは決して安くない
10位【はじめてのAWS、“つまずきポイント”はココだ!】[AWS運用ポイント1]知らないうちに割高に
11位【記者の眼】ネット対応の雨量計で個人のためのIoTを体験する
12位【News & Trend】法人向けでは“苦戦”、米Evernote次の一手はSalesforce、ドコモとの協業
13位【News & Trend】アップルがIBMとの提携で得た技術、PaaSと「MEAP」
14位【記者の眼】月額2980円のクラウド税理士相談、“価格破壊”ができるわけ
15位【記者の眼】オフコン+AWSが支えるサラブレッドの血統
16位【News & Trend】米系クラウド大手が日本で相次ぎデータセンター開業
17位【はじめてのAWS、“つまずきポイント”はココだ!】[AWS運用ポイント2]最悪の場合アカウント停止も
18位【ニュース】ローソンや日通がAWSへ全面移行、AWS Summitで明らかに
19位【田中克己の針路IT】「3年後にクラウドが市場を席巻する」、NECの大胆な予想の真意
20位【News & Trend】「容量無制限化」で概念が根底から変わる、企業向けクラウドストレージ