ネットワーク分野の動向で言うと、2014年はMVNO(仮想移動体通信事業者)が大きく注目を集めた年であったと言えるだろう。ネットワーク分野における年間アクセスランキングでも、MVNOが提供する格安SIMに関する記事が数多くランクインした。

 5位の『格安SIMの選び方と主要サービス比較[14年夏]、最もコスパが高いのは……』、15位の『格安SIMの通信容量が突然2倍以上に、その背景に「絶好の商機」あり』、17位の『au系唯一のMVNO「mineo」の実力を試す』といった記事である。

 9位にランクインした『「SIMフリー」「11ac対応」…、“最強”モバイルルーターを試す』も、格安SIMで使えるという「SIMフリー」が注目された結果だろう。なお、ネットワーク分野のアクセスランキングは、スマートフォンやタブレットに関する記事を除外して集計した。このため、SIMフリーのスマートフォンに関する記事については、『[スマートフォン]iPhone 6と格安スマホの話題が上位独占』を参照してほしい。

 格安SIMではないが、SIM関連で言うと「Apple SIM」に関する記事『iPad Air 2は順当な進化だが、「Apple SIM」は業界にサプライズ』も6位にランクインしている。Apple SIMは米国と英国の「iPad Air 2」「iPad mini 3」のセルラー版に同梱されるSIMカードで、両国のキャリアとの短期契約に利用できる。今後、米アップルと通信事業者の関係に影響を及ぼす可能性があり注目度が高い。

 20位までにはランクインしなかったが(22位)、Apple SIMに関しては『Apple SIMがもたらす波紋とSIMの不思議』という記事に詳しい。この記事は2014年11月の公開であり、それでも22位というのは短期間に集中的に読まれた証拠である。

iPhone新機種発売の喧噪から離れて、冷静に世界の動向を見る

 2014年9月、アップルは「iPhone 6」「同6 Plus」を発売した。それに関連した端末メーカーや通信事業者の競争状況に関する記事も人気だった。1位の『iPhoneで大騒ぎは日米だけ?Appleが世界で直面する伏兵たちとの戦い』や、12位の『ドコモのiPhone 6は機種変更を他社より安く、下取りも手厚くして他社の顧客争奪』である。

 特に『iPhoneで大騒ぎは日米だけ?…』は、iPhoneの新機種発売で大騒ぎとなっている日本から視点をグローバルに移し、世界のスマートフォン市場の中でのアップルの位置付けや、世界の端末メーカーの動向を詳細に解説した良記事である。ランキングトップにふさわしい記事と言えよう。