口座から金を盗む「ネットバンキング詐欺事件」
2014年6月、三菱東京UFJ銀行そっくりの偽サイトがネット上に出現した。ログインすると、契約者に配布されている確認番号(乱数表)を全て入力するよう求められる。まんまとだまされて入力すれば、攻撃者の思うつぼ。詐取した認証情報を使って正規サイトに不正ログインし、預金を自分たちの口座に送金する。
こうしたネットバンキングにまつわる不正送金の被害額は急増している。警察庁によれば、2013年の被害額は前年の約30倍に当たる14億600万円。2014年は、さらに増えている。5月9日までの約4カ月間で早くも前年の被害額を超え、14億1700万円に達した。
狙われる金融機関も増える一方だ。全国に店舗がある大手銀行だけでなく、地方銀行も次々と被害に遭っている。