スマートフォンが紛失や盗難に遭うと、中で保管している個人情報の流出や不正利用、紛失した際の再購入費用など、さまざまな損失が出る可能性がある。パソコンもノート型の場合は紛失や置き忘れ、盗難の話をよく聞く。どのような対策を取ればよいのだろうか。

防止策と事後対策の両面で

 紛失や盗難に対する対策の多くは、持ち主の自覚や意識に依存する。ノートパソコンやスマートフォンは、基本的に置きっぱなしにしないようにすることが重要だ。

 一般に人間は、いつもの動作やルーティンと異なることをすると、エラーを犯しやすい。いつもと違うかばんを使うときや、入れるポケットを変えたときなどは、特に置き忘れや紛失に気を付けたい。

 とはいえ防止策にも限界はある。そのため、事故が起こってからの被害や損失を低減する事後対策も必要だ。代表的なものは、外部から強制的に端末内のデータを削除する「リモートワイプ」や、端末をロックしてしまう「リモートロック」というやり方である(図1)。また損害を減らす、あるいは被害拡大を抑えるといった観点から、紛失した端末は取り戻せた方がよい。この点で役立つのが、端末のGPS機能を生かした現在位置のトラッキングである。端末が現在置かれている場所を、地図上に表示するというものだ。

●遠隔から実施できる紛失対策は必ず準備
●遠隔から実施できる紛失対策は必ず準備
図1 「リモートワイプ」と「リモートロック」は覚えておきたい。スマートフォンを紛失した場合、遠隔で端末内の保存メールや写真、アカウント情報などのデータを消去するのがリモートワイプ。端末をロックするのがリモートロックである
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 パソコンでは主に企業向けに、条件を設定して遠隔からデータを消去したりロックを掛けたりするサービスが提供されている。一般には、紛失したパソコンの持ち主が別のパソコンや電話でサービス提供事業者に連絡を取り、削除コマンドを発行してもらう。また最近は、個人が利用できるパソコン用の紛失・盗難対策サービスもある。