LINEやSNS(ソーシャルメディア)などの台頭は、コミュニケーションやWeb利用のスタイルを変えつつある。パソコン全盛の時代は、検索エンジンやブックマークなどを起点としたWebアクセスがメインだった。しかしスマートフォン+ソーシャルの時代になると、アプリやSNSを起点としたWebアクセスが増えている。このことは、セキュリティにどのような影響を与えているのだろうか。

アクセス先が分かりにくい

 SNS上のリンクや短縮URLが当たり前になってくると、移動先や接続先がどこのサイトなのかを見通しにくくなる。また、スマートフォンのWebブラウザーは表示画面が限られる。アドレスバーのURL表示欄が狭かったり、全画面表示にしていて見られなかったりすることも珍しくない。閲覧中の画面がアプリなのかWebサイトなのかが区別しにくいケースも多い。それだけ、操作が抽象化され簡単になった半面、セキュリティ上は好ましくない状況となっている。

 Webには、フィッシングサイトに誘導されてパスワードや個人情報などを窃取されたり、攻撃サイトによってウイルスに感染させられたりするリスクがある。不正なサイトもWebブラウザーでアクセスするので、誘導されて情報を入力・送信してしまうリスクはiPhoneもAndroidも変わらない。また保護者は、子供が有害サイトへ誘導されるリスクも考慮した方がよい。

 スマートフォンでは、Webの脅威へは複数の対策を組み合わせて備えることになる(図1)。AndroidとiOSでは使用する対策手段が多少異なる。

●Webの脅威はiOSも対策が必要
●Webの脅威はiOSも対策が必要
図1 iOSとAndroidのWebの脅威からの防御方法。不正アプリの場合とは異なり、iOSでもAndroidと同様の対策が必要になる
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