パソコンでは、セキュリティアップデートを実施してOSを常に最新の状態に保つのも重要なセキュリティ対策である。ウイルスに感染しても、セキュリティアップデートを適用していれば被害を防げるというケースが結構あるからだ。WindowsでもMac OS Xでもセキュリティアップデートを含むOSの更新版の適用は難しい作業ではないし、実施してしかるべきだ。

 ところがAndroidスマートフォンでは、この対策を実行に移せない場合がある。OSの開発元が最新版をリリースしても、通信事業者や端末メーカーがアップデートを配布しないことがあるのだ。このような場合、対策はどうすればよいのだろうか。

機種によって対応が異なる

 iOSはほぼ2年おきにメジャーアップデートが行われ、その間にも何回かマイナーアップデートが実施される。セキュリティ対策もこれらの中に含まれており、アップデートは対象となる全ての機種で適用可能である。Windowsと同様で、アップデートが提供されたらきちんと適用すればよい。

 一方Androidは、さまざまな端末メーカーがカスタマイズして組み込んでいる。そのためOSの開発元であるグーグルがアップデートを公開しても、それをユーザーに配布するかどうかは端末メーカーや通信事業者の判断次第になることが多い(図1)。半年から1年で新しい機種が発売されるAndroidスマートフォンの場合、カスタマイズの度合いなどにもよるが、少し古い機種になるとアップデートが配布されなくなるケースがある。

●AndroidのOS更新はメーカーや通信事業者がコントロール
●AndroidのOS更新はメーカーや通信事業者がコントロール
図1 どのOSもバージョンアップが進むとアップデートが配信されなくなるが、Androidは機種によっては配信されなくなるまでの期間が短いことがある
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