自分と通信相手のネットワーク上の位置関係がわかったところで、次はネットワークが本当につながっているかをチェックしてみよう。そのために使うコマンドの「ping」が、日経NETWORKが試作したアプリ「NNWCommand(現在は配布終了)」でも使える。

 アプリの「ping」に続く入力欄に通信相手のホスト名(URL)を入れて「実行」をタップする。すると、pingが相手ホストへと向かう。宛先であるホストはpingを受け取ると、その応答を送信元に戻す。この応答で、IPによる通信ができているかどうかがわかる(図3-1)。応答内容には、宛先のホストから反応が返ってくるまでの時間がミリ秒単位で表示され、戻ってくる経路の複雑さがTTLの値でわかる。

図3-1●通信相手にメッセージが届くかを確認する
図3-1●通信相手にメッセージが届くかを確認する
pingコマンドは、相手とIPで通信できるかどうか確認するために使う。左2つが通信に成功した画面。通信が成功している場合でも、接続するネットワークによってpingの応答は変わる。右は失敗した例だ。転送できなかった機器からエラーが通知される。
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 実際に、無線LAN環境で実行した場合と、LTEを使って実行した場合を比較した。無線LANを使った場合は、7.59ミリ秒で返答が届き、戻ってくる経路の複雑さを示すTTLの値は243となっている(同左)。これがLTEで接続した場合は、45.3ミリ秒でTTLの値が229となる(同中)。LTE接続のほうが無線LAN接続の場合よりTTLの値が小さい。時間がかかっていることから、LTE接続のほうが複雑な経路をたどっていると想像できる。TTLの詳細については後述するが、ここでは「値が小さいほうが複雑」と思えばよい

 なお通信に失敗すると「Destination Host Unreachable」というメッセージを表示する(同右)。