トリの目で全体を見つつ、虫の目で各論を見る
榊田「あれ、所長。そろそろ仕事じまいなのに、まだパソコンに向かってんですか」
所長「そうなんですよ。ITproから急ぎの依頼が入りましてね」
榊田「何の依頼ですか?」
所長「今回『ITのプロが知っておきたいビジネス理論の常識』を連載したでしょ。このまとめ記事を書いてほしい、とのことなんです」
榊田「あの連載って、最初は5回のつもりが、結局、17回になりましたよね」
所長「そうなんです。結構ボリュームが大きくなりました。それはそれでいいのですが、量が拡大するほど、初めてビジネス理論に触れる人には、アプローチがしにくくなります」
榊田「そうですね。自分が目当てとするビジネス理論がどこにあるのか分かりにくくなる」
所長「そこで、いわばまとめ記事を作って、どんなときにどのビジネス理論を利用するのが賢明なのか、その全体図を描いてほしい、という依頼なのですよ」
榊田「それって、面白そうじゃないですか」
所長「とはいえ、とりとめもなく解説するのでは、あまり芸がありません」
榊田「確かに。何かいい案でもあるんですか」
所長「あります。全体図というくらいですから、まずはビジネス理論の全体像を示すシンプルな枠組みを提示したいと思います。その上で、今回解説した17回の連載が、その枠組みのどこに位置付けられるのかを明示します。そうすればビジネス理論全体をトリの目で見つつ、虫の目で各論を見通せるでしょう」
榊田「そんなことできるんですか?」
所長「見損なっちゃいけません。今回は『マネジメントのピラミッド』を用いて、ビジネス理論の全体を見渡してみましょう」