この連載では、先が見えない「暗闇プロジェクト」を任された場合に参考になりそうなヒントやノウハウを紹介している。

 前回(「共有する」「合意する」「徹底する」は禁句)に続いて、「暗闇」のプロジェクト計画策定時に留意すべき二つのセオリーを見ていく。

セオリー1
メンバーさえ揃えば、プロジェクトはもう折り返し地点

 絶えず状況が変化する暗闇プロジェクトでは、いくら綿密に計画を立てても信頼性は思うように上がらない。計画書は当てにできないということだ。この点については、本連載で再三触れてきた(ただし、以前の連載(参考書を手当たり次第に手に取り、無視する)で見たように、計画を策定という行為は非常に重要である)。

 実は、「暗闇」のブロジェクト計画書の中で唯一、当てにできる項目がある。「体制」、つまりどんなメンバーが参加するかということだ。

 暗闇プロジェクトの成否は、マネジャーやリーダー、担当者といったメンバーによって決まる。メンバーさえ揃えば、プロジェクトは折り返し地点に到達したと言ってもよい。これがセオリーの一つめである。

行き過ぎたくらいの目的意識でちょうどいい

 暗闇プロジェクトで、どのようなメンバーを選ぶべきか。選定のポイントは大きく2点ある。

  • 強い目的意識を持っているか
  • 強い責任感を持っているか

 頭が良い、実績がある、体力がある、様々な資格を持つ、経験豊富である。メンバーがこれらを備えているのであれば、それに越したことはない。それでも、いま挙げた2点に欠けているようだと、暗闇プロジェクトには役不足だと言わざるを得ない。