データ量が多すぎて事実上不可能だったデータ分析が可能になってきた。いわゆる「ビッグデータ」の分析で、本特集ではログ分析に絞る。ビッグデータ分析システムの姿は、従来の分析システムとは大きく異なる。

 博報堂DYメディアパートナーズの柴田貞規氏(データマネジメントプラットフォーム部 部長)らは、ネット広告に関するデータ分析を行っている。最近、バナー広告の効果を分析した。

 従来はバナー広告のクリックにのみ注目していたが、広告の効果はそれだけではない。広告を見て興味を持ち、キーワードを検索して関連するページを見た上で目的のサイト(バナー広告をクリックした先のサイト)に来ることもある。これも広告効果の一つ。だが、これを確かめるにはバナー広告のクリックではなく、バナー広告のビューを起点にデータを集める必要がある。

 バナー広告のクリックとビューではデータ量は桁違い。しかも、広告を見た後のネット上での行動を分析するには、ユーザーごとに一定期間のトラッキングデータを集める必要がある。

 柴田氏らはこのデータ分析を実施し、バナー広告の効果を評価した。どのように広告を出せば効果をより高められるかという、従来の分析では分からなかった結果も得たという。