日経コミュニケーションが実施した「企業ネット/ICT利用実態調査 2014」により、スマートデバイスやセキュリティ、クラウドサービスのベンダー別の最新利用動向が分かった。調査は2014年7月から8月にかけて実施した。対象は上場企業3200社である。スマートフォンやタブレット端末、BYOD(Bring Your Own Devices)、セキュリティ、クラウド、WANサービス、携帯電話サービス、ネットワーク機器といったテーマについて、利用実態や利用意向を調べた(調査概要は文末参照)。


 後編となる今回は、クラウドサービスとセキュリティサービスのベンダー別利用率を解説する。クラウドのSaaS(Software as a Services)では「Google Apps for Business」を提供する米グーグルと「Office 365」を提供する米マイクロソフトが利用率を高め“2強”の様相を呈している。

 現在利用中のSaaSベンダーは、グーグルが利用率38.8%(2013年は32.3%)、マイクロソフトが利用率24.2%(同19.1%)と、それぞれ昨年よりも5ポイント以上利用率を伸ばした(図1)。メールやグループウエアの分野は2社のSaaSが急速にシェアを伸ばしている様子がうかがえる。

図1●現在利用中のSaaSベンダー(複数回答)
図1●現在利用中のSaaSベンダー(複数回答)
昨年との比較では、サイボウズが4位から3位に浮上した。
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 3位のサイボウズは14.7%(2013年は12.4%)、4位のセールスフォース・ドットコムは13.6%(2013年は13.1%)といずれも利用率を伸ばしている。サイボウズは利用率でセールスフォースを逆転した。

 ただしサイボウズ、セールスフォースとも、グーグル、マイクロソフトの上位2社と比べると伸び幅は小さい。以前はセールスフォースとサイボウズを含めた“4強”とされていたが、ここから2社が抜きん出た格好だ。

 このほか「その他」を回答した企業が20.5%ある。アプリケーションがSaaSで利用されている多様な現状を反映している。