日経コミュニケーションが実施した「企業ネット/ICT利用実態調査 2014」により、スマートデバイスやセキュリティ、クラウドサービスのベンダー別の最新利用動向が分かった。調査は2014年7月から8月にかけて実施した。対象は上場企業3200社である。スマートフォンやタブレット端末、BYOD(Bring Your Own Devices)、セキュリティ、クラウド、WANサービス、携帯電話サービス、ネットワーク機器といったテーマについて、利用実態や利用意向を調べた(調査概要は文末参照)。


 前編となる今回は、スマートフォンやタブレット端末のベンダー別利用率を解説する。スマートフォンは昨年首位のアップルがさらに利用率を伸ばし、約8割に到達した。一方、2位のサムスン電子をはじめとするAndroid勢はほとんどが昨年よりも利用率が下がった。

Androidスマホ勢はシャープが健闘

 スマートフォンのメーカー別利用率は、首位のアップルが2013年の67.8%から79.7%へ利用率を約12ポイント上乗せして独走態勢に入った(図1)。以下、サムスン電子、ソニー(ソニーモバイルコミュニケーションズ)、シャープ、富士通(富士通モバイルコミュニケーションズ)、NEC、京セラと続く。ただ2位のサムスン電子に加えて、Androidスマホを提供する日本メーカーの大半が2013年から利用率を落とし、法人市場ではAndroid勢が支持を失いつつある苦しい状況が明らかになってきた。サムスン電子は2013年の31.7%から28.0%に下落し、ソニーは0.9ポイントの低下だった。富士通は17.6%から14.4%、スマホの新規開発・販売から撤退しているNECは10.6%から4.8%へと利用率を大きく落とした。

図1●利用中のスマートフォンのメーカー(複数回答)
図1●利用中のスマートフォンのメーカー(複数回答)
 昨年の利用率と比較した。「iPhone」を擁するアップルが利用率をさらに伸ばし、法人市場では独走態勢を固めつつある。
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