前回までは、ラックマウント型のサーバーを中心に説明してきましたが、ラックマウント型の発展系であるブレード型にも注目したいところです。

 中規模以上のシステムでは、大量のサーバーを導入する必要があり、薄型のラックマウント型サーバーでもスペース不足になりがちです。そこで、6~10U程度の高さを持つブレードシャーシに、細長いサーバーを複数搭載するブレード型が登場しました。ラックマウント型よりもさらに高密度にサーバーを搭載できるほか、サーバー単位で必要だった電源、ファン、ネットワークをブレードシャーシに集約できます。これにより、電源効率を向上させることが可能です。

 最近は、ブレード型のサーバーを使ったさまざまな形態も出てきました(図A)。仮想環境に特化した「次世代ブレード型」、ストレージなどを含めてパッケージ化した「垂直統合型」などがあります。以下で、その特徴を見ていきましょう。

図A●ラック内の配置イメージ
図A●ラック内の配置イメージ
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 次世代ブレード型は、仮想化やクラウド環境の利用に特化した機能を備えたサーバーです。明確な定義はありませんが、次のような機能を備えているブレードサーバーだと考えてください。

 まず、10Gbps以上のネットワーク回線を利用でき、(IPネットワークに加えて)ファイバチャネルとLANを統合するFCoE(Fibre Channel over Ethernet)を利用できます。また、サーバー情報(BIOS設定、MACアドレス、WWNなど)をプロファイル化してサーバー管理をよりシンプルにしている点も特徴です。

 次世代ブレード型を使えば、急激なトラフィックの発生時にサーバーを自動的に増強することができます。またブレードシャーシ全体の電力量の上限値を設定し、ブレードサーバーのCPUクロック周波数を調整することで電力コストを抑える機能もあります。性能だけでなく、集約率を重視した仮想化システムだからこそ必要な機能を備えています。