海外IT企業の相次ぐ買収攻勢で、世界戦略を進める「NTT」。国内の通信事業が苦戦を強いられるなか、グローバルクラウド事業を今後の成長の柱に据える。目指すは、「脱・通信会社」。2008年3月期に20億ドル規模だった海外売上高は2012年3月期に100億ドルを突破しており、2017年3月期には200億ドル規模に高める構想を描く。

 足元の進捗も順調。海外売上高は2014年3月期時点で122億ドルに拡大し、2015年3月期は150億ドルを見込む。法人売上高の海外比率は43%に達する見通しである。ただ、日本のユーザーには、詳しい状況がよく見えず、評価が難しい。クロスセルの受注額は着実に伸びているとするが、グループ各社がバラバラに動いている印象も受ける。本連載では、グループ幹部へのインタビューを通じ、NTTの世界戦略の“実態”を明らかにする。