この連載では、PM(プロジェクトマネジャー)やメンバーが抱く、プロジェクトマネジメントに関する「素朴な疑問」に答えていきます。筆者がまとめたプロジェクトマネジメントメソッド「PROKAN(プロカン)」をベースにしていますが、PROKANのことをご存じない方でも読み進めていただけるよう配慮して話を進めます。

 前回(プロジェクト体制図は本当に必要?)は、プロジェクト体制図の大切さを説明しました。今回のテーマは「情報共有」です。

自分に必要な情報が入ってこない

 プロジェクトでは、必要な情報をきちんと共有する必要があります。こう話すと、「当然、分かっています」という答えが返ってきます。一方で、いざ情報共有の仕組みを作ろうとして、頭に悩ませるPMやプロジェクトリーダーは少なくありません。

【疑問6】
プロジェクト内で情報共有の仕組みを作るのに手間取ってしまいます。何か良い方法やコツはありますか?

 先日行ったPROKAN研修では、情報共有に関して、以下のような問題点や悩みがPMやプロジェクトリーダーから出てきました。

  • 自分に全ての情報が入ってくるわけではない
  • 自分が知らないところで、話が進んでいることがある
  • 柔らかい段階の(決定事項ではない)情報をなかなかメンバーが上げてくれない
  • どこまで情報を共有すればよいか、迷っている。情報共有は必要だと思うが、メンバーに余計なことを考えさせたりしないか、情報が一人歩きしたらマイナスにならないか、などとつい心配してしまう
  • メールがこれ以上増えるのは困る