この連載では、PM(プロジェクトマネジャー)やメンバーが抱く、プロジェクトマネジメントに関する「素朴な疑問」に答えていきます。筆者がまとめたプロジェクトマネジメントメソッド「PROKAN(プロカン)」をベースにしていますが、PROKANのことをご存じない方でも読み進めていただけるよう配慮して話を進めます。

 前回(プロジェクト開始時に必要な「方針」とは?)は、プロジェクト方針を作り、共有することの大切さについて説明しました。今回のテーマは「複数チームのスケジュール合わせ」です。

【疑問3】
初めてプロジェクトリーダーに任命されました。五つのチームを担当しているのですが、各チームのスケジュールを合わせてプロジェクトスケジュールを作る際に、整合性をとるのに苦労しています。うまくスケジュール合わせをするコツはありますか?

 中規模または大規模のプロジェクトでは、複数のチーム編成で動きます。各チームリーダーは自分が担当するチームのスケジュール(チームスケジュール)を作成するので、チームが五つある場合は、五つのチームスケジュールが存在することになります。

 こうした複数のチームスケジュールをすり合わせるのは、容易ではありません。どこが重なっているのか、どこに漏れがあるのかを探すのも一苦労です。プロジェクトの開始時にスケジュールの重なりや漏れを発見できず、タスクを進めていくにつれてどんどん気が付いていく、というケースもよくあります。

 たとえ、チームスケジュールの重なりや漏れに気付いたとしても、補正するのがまた大変です。各チームとも既にタスクを進めているので、調整は容易ではありません。みな自分のスケジュールは変えたくない、と思うのが常ですから。

 今回の疑問は、PROKANの研修で「スケジュール作成で困っていることは何ですか?」と尋ねたときに出てきたものです。筆者は「なるほど」と思いました。まさにプロジェクト“あるある”です。