企業ユーザー向けSDNソリューションの分野で、市場の急拡大が見込まれている。米ヒューレット・パッカード(HP)やNECなどが新しいアプローチを展開し、企業ネットワークにSDNを浸透させる道を探っている。今回は、「“SDN Ready”スイッチによる浸透作戦」「ハイブリッドSDNモデルの提案」、そして「新たな法人向けSDNユースケースの開拓」という三つのアプローチについて解説する。
今後、市場の急拡大が見込まれる企業ユーザー向けSDNソリューションの分野では、ベンダー各社による市場拡大のための新たなアプローチが見えてきた。「“SDN Ready”スイッチによる浸透作戦」「ハイブリッドSDNモデルの提案」、そして「新たな法人向けSDNユースケースの開拓」という3点が、法人市場拡大に向けた新たな動きといえるだろう(図2)。
まず“SDN Ready”スイッチによる浸透作戦は、いわゆるホップ・バイ・ホップ方式のSDNソリューションを推進する米ヒューレット・パッカード(HP)やNECのアプローチだ。
SDN機能をあらかじめ備えた既存スイッチ製品を、当初は既存のネットワーク環境で利用。ユーザーが最適なタイミングでスイッチのSDN機能を有効化し、コントローラーを追加購入することで、SDN環境にスムーズにマイグレーションできるという仕組みだ。
NECは、これまで合計で100万台の出荷実績があるというWAN アクセスルーター「UNIVERGE IXシリーズ」と、企業向けLANスイッチ「UNIVERGE QXシリーズ」を、それぞれSDN Ready製品としてこの秋から提供を始めた。HPも既にSDN Readyのスイッチを全世界で2500万ポート出荷しているという。