テレビ、新聞、雑誌、ラジオ――。いわゆるマス4媒体を相手にしていた時代は去り、ネットメディアの価値が日々重みを増している。ネットメディア特有のニーズをつかんだ情報発信は欠かせない。さらに重要なのが、タレントの発掘。女性広報部長たちは現場と連携しながら、会社を代表して語れる“名物社員”の発掘に余念がない。

司会 メディアもネットが存在感を増しています。既存のマスメディアとネットメディアでは、対応の仕方は違うのですか。

「記者発表を2部に分けて、IT系専門媒体には掘り下げた解説をしている」と話すNECの飾森亜樹子コーポレートコミュニケーション部長(写真撮影:村田和聡、以下同)
「記者発表を2部に分けて、IT系専門媒体には掘り下げた解説をしている」と話すNECの飾森亜樹子コーポレートコミュニケーション部長(写真撮影:村田和聡、以下同)

飾森 今はネット媒体の重要性がものすごく高まっています。紙かネットか、専門誌か一般誌かなどによって刺さるポイントは違いますから、説明の仕方についてはそれぞれに分けて工夫しています。例えば、同じ内容の記者発表でも、1部と2部に分けて、2部ではIT系専門媒体の方に掘り下げたより詳しい解説を加えています。

野呂 金融業界向けのソリューションなどは、金融業務の知識がないと分かりくいものです。業務理解が浅いと、ソリューション導入のメリットも伝わりません。それをニュースリリース1、2枚で説明するのは難しいと感じています。

 広報担当だけでは情報が正確に伝わりにくい場合は、現場の専門家に協力を仰いで、記者の方々への説明会などを増やすよう意識しています。ニュースリリースの内容をできるだけ分かりやすく伝えるための取り組みです。

ややこしい話を面白く伝えられる現場の人、大募集

飾森 メディアの人を交えた勉強会のようなものを開くようにしています。「SDNとは? 最近の生体認証技術の動向は?」といったトレンドをご説明して、後半は当社のPRをさせていただく、といったスタイルのものです。

冨岡 勉強会というのか説明会はいいですよね。うちがどうした、こうしたと説明するよりも、業界や技術の動向や、その背景を話す方が、興味を持ってもらえることが多いですね。

野呂 当社も定期的に、番号制度や情報セキュリティ、最近では不動産市場動向など、ITに限らず様々なテーマで専門家が最新情報を提供し意見交換する場、NRIメディアフォーラムを開催しています。社員がこういった広報活動に非常に協力的で助かります。