ITプロフェッショナルが知っているようで知らない仕事。それが広報。新商品、サービスの情報を発信するだけでなく、エンジニアのいい仕事を広報部門が上手に世の中に発信してこそ、その価値が認められて次の仕事につながるのです。そんな広報部門にもアベノミクスの波が。大手ITサービス4社の広報部門でトップを務める女性部長に、広報のお仕事の実態を伺いました。
司会 本日はお忙しいなか、皆様ありがとうございます。まずは自己紹介をかねて、これまでの経歴などについてお聞かせください。
冨岡 私が広報部長に就いたのは2012年7月で、2年と数カ月がたちました。それまでは、イベントやウェブサイト、ショールームなどオウンドメディアのあり方を考えながら、会社をプロモーションするための広告宣伝を手掛けていました。会社の広告宣伝の仕事のキャリアは、十数年です。
コーポレートコミュニケーションの領域が長いのですが、メディアリレーションの仕事はまだ“新米”だと思っています。
入社時には、1年だけソフトウエア開発の仕事もしましたが、すぐに国際部門に移ったので、キャリアのスタートは国際部門ということになりますね。人事部で人材育成を担当した経験もあります。
飾森 私は入社してからずっと広報なんです。メディア対応一筋の珍しいタイプかもしれません。
入社したときは、海外広報担当者として、海外メディアに対応する仕事をしていました。そのころ日本は、経済やIT分野など様々な面で海外から注目されていて、外国特派員の人数がかなり多い時期でした。
それから間もなくして、海外メディアだけでなく国内メディアの両方を担当するようになりました。これまでNECの事業分野ほぼ全てを担当しましたが、特に長かったのが海外事業と通信事業です。担当する事業が変わると、文化や仕事のやり方などが異なり、NECにいながら、自分としては何回も転職を経験したような感覚もあります。