米Appleは2015年11月17日、iPadのセルラーモデルで利用できるSIMカード「Apple SIM」(写真)を日本でも発売した。価格は600円(税別)である。

 Apple SIMを挿入したiPadシリーズは、米国、英国など90の国・地域で、国際ローミング料金よりも有利な価格でモバイル通信を利用できる。Apple SIMの発売国は米国や日本など13カ国となった。

写真●米Appleが日本でも発売したSIMカード「Apple SIM」
写真●米Appleが日本でも発売したSIMカード「Apple SIM」
(撮影:松村 太郎)
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 Apple SIMを使えば、現地で、その国のキャリア向けのSIMカードを用意しなくてもよくなる。

 日本から米国に行った際にiPadでモバイル通信を使いたい場合、あらかじめ日本でポータブルWi-Fi機器をレンタルするか、あるいは、空港でSIMカードとプリペイドカードを購入する必要があった。Apple SIMが入っていると、SIMを挿し替えなくても、iPadの画面から米大手キャリアのT-Mobileや、グローバルでデータ通信サービスを展開する米GigSkyのデータプリペイドサービスを購入して利用できる。

日本での通信料金はやや割高

 海外から日本に来た際に使えるように、KDDIは日本でのApple SIM発売に合わせて「LTEデータプリペイド」を開始した。Apple SIMを挿し込んだiPadを持って訪日した人は、iPadの画面から、KDDIのモバイル通信を契約して使える。料金は1GBで1500円(税別)となっている。

 料金面では、日本の一般的なキャリア契約やMVNOのデータ通信料金と比較してやや割高である。ただ、有利なケースも多そうだ。訪日が一時的で契約を続けたくない場合、簡便な操作でモバイル通信を使いたい場合、1カ月に1GB程度の限られた通信量しか使わない場合などは、Apple SIMの使いどころになる。