2015年10月上旬に、米ロサンゼルスで開催された米Adobe Systems主催のイベント「Adobe MAX」を取材した(写真1)。

写真1●2015年10月に開催された「Adobe MAX」の基調講演に登場したiPad Pro。スケッチアプリで背景の模様を描く
写真1●2015年10月に開催された「Adobe MAX」の基調講演に登場したiPad Pro。スケッチアプリで背景の模様を描く
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 今年は、主力製品「Photoshop」の発売から25周年に当たる(関連記事:Photoshop開発者、トーマス・ノール氏が語る25年の歴史)。1990年ごろのデスク環境を再現した展示は興味深かった。当時の映画のポスターやフィギュアが並び、木製のロマンチックなデザインのデスクとチェアのセットが用意されていた。

アイコン一つより“小さい”画面で画像編集

 その中央に鎮座しているのは米Apple製の「Macintosh Classic」である。小さな画面の中では、モノクロの画像編集ができる「Photoshop 1.0」が動作していた。今からすれば、iPadよりも小さな画面。処理能力も数千分の一、あるいは数万分の一かもしれない。

 面白い比較としては、画面サイズがある。iPadのアイコンは512×512ドットでデザインされている。267dpiという高いピクセル密度によって、指先ほどのサイズで表示される。この512×512ドットというサイズは、1990年に発売されたMacintosh Classicの9型白黒ディスプレイの解像度512×342ドットより大きい。

 それでも、25年前のMacで動作したPhotoshopは業界に大きなインパクトを与えた。デジタル環境でのクリエイティブ作業の可能性を感じさせるには十分だった。