写真1●Apple Watchはスマートウオッチ分野の製品として上々のスタートを切った
写真1●Apple Watchはスマートウオッチ分野の製品として上々のスタートを切った
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 2015年9月10日(日本時間)未明に米Appleの発表イベントが開催されたばかりだが、本稿執筆時点ではまだ内容が判明していない。発表イベントについては稿を改めるとして、今回は「Apple Watch」(写真1)のことを書く。

 Apple Watchについて、Appleは長期的な取り組みと捉えているようだ。その出足は、CEOのTim Cook氏の言葉を借りれば「初代iPhone、初代iPadよりも良い」という。

 米IDCの調査では、Apple Watchは「2015年第2四半期に360万台を出荷した」とされている。この数字はウエアラブルデバイス全体では活動量計の米Fitbitに次ぐ2位、スマートウオッチとしてはダントツの1位だ。

 Appleの経営陣や株主にとってこの数字が満足できるかどうかは評価が分かれる。一方で、ユーザーに限ればとても満足しているようである。ウエアラブルデバイス専門の調査会社である米Wristlyは、Apple Watchに対する継続的な調査をしている。これによれば、今のところユーザーの97%が「満足している」と答えているという。

健康機器の側面を強調する戦術

 Apple Watchは、当初の用途として、健康やフィットネス分野を強調してきた。情報端末としての側面を強調するよりも、健康分野のほうが毎日継続的に利用してもらいやすいから、と考えたのではないだろうか。

 筆者も、健康・フィットネスという打ち出し方は、確かにApple Watchを装着する大きな動機になり得ると感じる。それまで活動量計などを装着していないユーザーにとっては、iPhoneと組み合わせる情報端末として、あるいはAppleの新製品だから、という入り口で、Apple Watchを手に入れていたかもしれない。

 前述のWristlyの調査で、Apple Watchを毎日装着している人は全体の86.1%を占める。しかも、8割近くの人々が健康をより意識するようになったと答えている。