今回は文書作成の作業環境についての話である。筆者は9.7インチモデルの「iPad Pro」が登場して以来、本連載も含めたほぼ全ての原稿を、iPad Proで執筆するようになった。

 取材中や出先では、薄型キーボード内蔵の「Smart Keyboard」で原稿を書くこともあるが、Bluetooth対応の「Happy Hacking Keyboard」で原稿を書くことがほとんどだ。普段自分のデスクでMacを使う際にもHappy Hacking Keyboardを長らく愛用してきたことから、慣れたタッチと配列のキーボードをそのままiPadで利用できれば、何不自由なく原稿が書けるというものだ。

 Macでは、こちらも長らくの付き合いとなる漢字変換ソフト「ATOK」を利用している。iOS版も登場していて、「iPhone」では利用している。だが、残念ながら外部キーボードからサードパーティーのキーボードアプリを利用できないというiOSの制約から、アップル純正の日本語入力も併用している。もっとも変換効率も上がってきたことから、こちらも問題に感じることはなくなってきた。

 ただ一つ、大きなストレスを感じ、いまだに毎回間違えてしまうことがある。それは、iOS上での言語切り替え(キーボード切り替え)のショートカットが、これまでのMacと異なることだった。

入力切り替えがCommand+スペースじゃない?

 筆者はMacを使い始めたころから、日本語(JIS)キーボードではなく、英語(US)キーボードを選んできた。高校や大学で触れた端末の名残から、何となく、スペースキーが長いほうが使いやすいイメージがあったことが主な理由だ。

 ただ、日本語を扱うMacでは、日本語キーボードを選ぶメリットは大きい。JIS配列の場合、スペースキーが短くなる代わりに、英数・かなの2つのキーが付いており、左右の親指で瞬時に言語切り替え可能だ。今日の話は、JISキーボードのユーザーにはさほど関係がないかもしれないことを、あらかじめ断っておく。

 もし筆者のようにUSキーボードを選んでいる場合、Command+スペースキーを押して日本語・英語の入力言語を切り替える必要がある。ただ、こちらも左右の親指で2つのキーを押せばよいため、素早い切り替えが可能だった、今までは……。