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 2015年4月24日に発売となった米Appleのスマートウオッチ「Apple Watch」。世界中で強い需要があり、予約販売という形式ながら、これからの予約は6月配送との表示が出ている。おそらく、初期の予約販売分に対応して店頭在庫が持てるようになるまでの期間も、これぐらいを見積もっているのではないかと考えられる。

 スマートウオッチとしても、腕時計としても、これほど瞬発的にセールスが伸びた例はなかったのではないだろうか。価格については、スポーツモデルであっても、「高いな」という印象を持つ人が多かったようだ。

 ただ「Apple Watch Edition」以外のモデルは、メタルリンクバンドのモデルを除いて10万円以下の価格をつけている。この価格帯の時計を毎年楽しみながら購入する市場もある。既存の時計業界の同じようなブランドや価格帯の製品は、Apple Watchの影響を受ける可能性がある(関連記事:時計業界はスマートウオッチをどう見ているのか?)。

iPhoneを中心としたエコシステム

 Appleのここ数年の戦略は明確だ。今までiPhone、iPad、Macの三つの柱というイメージを保ってきた。だがTim Cook氏がトップになってから、明確に「iPhoneが中心」の企業に変わった。競争力のある魅力的なiPhoneを作ることに加えて、持っている人がいかに便利な体験をするかを追究し始めたということだ。

 現在iPhoneは、自社のMacだけでなく、自動車やスマートホーム、健康や医療といった生活を構成する様々なモノとの「連係」を進めている。面白いことに、どれもiPhoneの買い換えサイクルである2年よりも、製品寿命が長いものばかりだ。連係機能やデータの蓄積によって、次の買い換えの際にもiPhoneを選んでもらえるような環境を整備する。これが現在のAppleの戦略なのだ。