米Appleが電気自動車を開発している。そんなニュースが業界を駆け巡った(関連記事:Appleの電気自動車、2020年の生産開始目指す、海外メディア報道)。

 Appleは販売好調な「iPhone」により、「iPhoneの会社」と呼ばれるようになった。そして、株式時価総額7000億ドルを超えた初めての米国企業となった。手元資金は1780億ドル(約21兆2000億円)を超える。この資金を今後の成長へどのように投じていくのかが注目されている。

 その投資先が「電気自動車」なのではないか、という“憶測”が流れたのだ。

Appleのものとされる謎のミニバン

 今回の“憶測”が盛り上がったきっかけは、米国内のニューヨーク州やハワイ州、そして先日はカリフォルニア州で目撃された、Appleのものとされる謎のミニバンの存在だ。CBS系列の地方テレビ局「KPIX5」によれば、車の上部に12台のカメラを取り付けて走っており、これが「街路写真の撮影というよりは、自動運転技術のテストではないか」と報じている

 Wall Street Journalなどのメディアは、AppleのCEOであるTim Cook氏が1年前に、電気自動車に関するプロジェクトの推進を認めたと報じた。「Titan」というプロジェクト名と、リーダーの名前として元Ford Motor Companyのエンジニアで、Appleのプロダクトデザイン担当副社長Steve Zadesky氏を挙げている。加えて、Appleが2014年9月に、Mercedes-Benz Research and Development North AmericaのCEOを務めていたJohann Jungwirth氏を雇用したことを、SNS「LinkedIn」のプロフィールから突き止めている。

 こうした情報から、Appleが本気で自動車メーカーになろうとしているのではないか、という期待を含めた“憶測”が盛り上がっていった。