米Appleが本社を置く北カリフォルニアも、連日20度を超える陽気だ。日本のソメイヨシノとは品種が異なるが、可憐な花をつけるサクラもそろそろ満開を迎えようかという季節になってきた。しかし東海岸は、まだまだ雪や嵐に見舞われ、休日を屋外で過ごすには向かない場所もある。

 米国のこの季節はテレビで楽しめるイベントが目白押しだ。2月最初の週末は、アメリカンフットボールのスーパーボウル。そして翌週となる2月15日のグラミー賞、2月28日のアカデミー賞と続く。それぞれテレビで全米に生放送され、注目を浴びる。

 2016年2月7日に行われたスーパーボウルは、これまでと同様に、試合中に放送されるCMは最も高い金額とも言われている。今回は30秒で5億ドルだという。

スーパーボウルCMでデビューしたMac

 かつてAppleも「最も有名なスーパーボウルのCM」として知られる「1984」で、「Macintosh」をデビューさせた。「1984」は同名のジョージ・オーウェルの小説の世界観をモチーフにしている。

 Appleは「HAL9000」というスーパーボウルCMも制作している。これはスティーブ・ジョブズ氏復帰後の1999年に放映されたものだ。

 「HAL9000」では、アーサー・C・クラーク原作で、スタンレー・キューブリック監督によって映画化された「2001年宇宙の旅」に登場する人工知能(AI)を備えたコンピュータを登場させている。HAL9000は2000年問題で混乱が生じたが、Macでは起こらなかったという架空のエピソードを紹介していた。

 いずれも、米IBM(と米Microsoft)を仮想敵としてAppleが抵抗するというコンテキスト(文脈)で作られている。現在は、AppleはIBMと提携しているので、隔世の感がある(関連記事:IBMとAppleの提携に基づいた企業向けiOSアプリが100種類以上に)。