米Appleは2016年1月26日(現地時間)、「過去最高」をうたう2016会計年度第1四半期(2015年10~12月期)の決算を発表した。ただ中身を精査すると、とても楽観的な内容とは言えないものだった(関連記事:Apple、10~12月期売上高は市場予測を下回る、iPhone伸びず減速が鮮明)。

 為替変動の影響を最も大きく受けた日本市場での収益は14%減となった。それ以上に深刻なのは足下の米国市場で、収益がマイナス4%となり、Appleが成長を維持し切れていないことを示唆するものだった。

 まず多くの人が注目するのは、前年同期比でiPhoneの成長がピタリと止まったことだろう。2016年第2四半期については前年割れを予測するなど、「iPhone成長トレンドの終焉」を色濃く表している(関連記事:売れないiPhone、国内販売25%減 行き詰まる「0円」商法)。

 さらに、下げ止まらないiPadが心配になる。

伸びないiPad

写真●大型タブレット「iPad Pro」の投入もiPadカテゴリー全体の台数減は食い止められず
写真●大型タブレット「iPad Pro」の投入もiPadカテゴリー全体の台数減は食い止められず
(撮影:松村 太郎)
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 Appleの決算における第1四半期は例年、いわゆるホリデーシーズンが含まれ、最も購買が伸びる四半期である。そんな中、2016年第1四半期決算におけるiPadの販売台数は1612万台で、前年同期から25%の販売台数減という結果となった。

 今回の決算には、2015年11月に発売された12.9型の大型タブレット「iPad Pro」も含まれている(写真)。刷新して性能を向上させた7.8型の「iPad mini 4」も用意された。それでも、販売台数下落に歯止めをかられなかった。

 決算発表に伴うカンファレンスコール(電話会議)の中でも、iPadに関する指摘は、米国のタブレット市場では85%の販売シェアを確保している点に留まった。そもそも調査会社の米IDCによると、2015年第3四半期の世界のタブレット出荷数は前年から12.6%減少しており、世界的な減少トレンドの中にある。