人は、様々なモノに人格を持たせたり、キャラクター化したりして楽しんできた。意志を持つコンピュータの恐怖としては、映画『2001年宇宙の旅』に登場する「HAL9000」は印象的だった。クルマが相棒になっている『マッドマックス』シリーズも面白かった。

 米Pixar Animation Studios(ピクサー)はCGを用いたアニメ制作会社として有名で、かつてSteve Jobs氏が経営陣に名を連ねていたことでも知られる。ピクサーは身の回りのモノの人格化を徹底的に行ってきた。

 おもちゃ、クルマ、昆虫、飛行機が人格化され、彼・彼女らの世界で起きていることを映像で楽しむことができる。先日ピクサーの『インサイドヘッド』(原題は「Inside Out」)を観て、ついには自分の中の感情までキャラクターにしてしまったのか、と感慨深いものがあった。

Siriとの付き合い方

 さて今回は、米Appleのデバイスユーザーの手元に常に存在しているパーソナルアシスタント、「Siri」について触れる。

 手元にあるiPhoneやiPadのホームボタンを長押しすると、“その人”は用件を聞いてくれる。声で希望を述べると、iPhoneの機能やWebで検索できる範囲のことをやってくれる。これが、Siriとの基本的な付き合い方だ。

 用がないのにあいさつをしてみたり、歌をリクエストしたり、告白し続けたり、お正月に「おみくじ」と話しかけてみたりすると、予想外の答えを返すこともある。単純な「お仕事マシン」というわけではないところも、親しまれる理由かもしれない。