Oracle Database(Oracle DB)で注意すべきは、米VMwareの仮想化ソフト「VMware vSphere」が備える「vMotion」のように、一時的にVMを移動させる際のライセンス費用だ。Oracle DBのライセンス体系を丁寧に見ていけば、それが分かる。

 Oracle DBでは、二つのライセンス体系がある。一つは、サーバーにアクセスするユーザー数の合計でライセンス料を計算する「Named User Plus(NUP)ライセンス」。もう一つは、物理サーバーのコア数に基づいてライセンス料を決める「Processorライセンス」である。

 最上位のEnterprise Editionの場合で見ていこう。NUPライセンスは、1ユーザー当たり10万3300円。1CPU当たり最少でも25ユーザーの契約が必要になる。Processorライセンスは2コア(Intel Xeonの場合)当たり516万3000円で、ユーザー数無制限だ。このため「特定部署しか使わないようなシステムや、開発環境ではNUPライセンスで購入し、ユーザー数の多い本番環境はProcessorライセンスで購入するというケースが多い」(アシスト データベース技術本部 ビジネス推進部 部長の岸和田 隆氏)。

 注意が必要なのが、Processorライセンスだ。「仮想化した環境で信頼性を高めようとすると、必要なライセンス数が多くなりがち」と岸和田氏は指摘する。Oracle DBではVMで動作している場合でも、物理サーバーの全コア分のライセンスが必要になる。SQL Serverとは異なり、VM単位では購入できない。