今、ソフトウエアのライセンス費を無駄に払ってしまう危険性が高まっている。ライセンス費の計算が複雑なサーバー仮想化やパブリッククラウドの利用が増えているからだ。判断ミスをすれば、典型例で5割増となるケースもある。主要ソフトについて、ライセンス費の無駄をなくす方法を解説しよう。
クラウドが起こす副作用!ライセンス費の無駄
判断ミスで5割増も
目次
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[SAP ERP]無駄なライセンスを探し出す
SAPは詳しいライセンス体系を明らかにしていないが、「ソフトのユーザー数で決まる」という料金体系に近いとされる。具体的には、システムへのアクセス権限に応じて「ロール」が分かれ、ロールごとにライセンス料が異なる。ロールには「Developer」「Professional」「Limited Profe…
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[IBM WebSphere Application Server]コア数非依存のソケット課金を活用
IBMのWebSphere Application Serverは、一つのソフトに対してさまざまな課金体系を用意している。(1)物理サーバーに基づく課金、(2)VMに基づく課金、(3)ユーザー数に基づく課金――である。ハード構成に合わせて柔軟に選択できるが、選び方を間違えると無駄なライセンス費を支…
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[Oracle Database]安易な高信頼設計は高コストに
Oracle Databaseで注意すべきは、米VMwareの仮想化ソフト「VMware vSphere」が備える「vMotion」のように、一時的にVMを移動させる際のライセンス費用だ。Oracle DBのライセンス体系を丁寧に見ていけば、それが分かる。Oracle DBでは、二つのライセンス体…
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[Microsoft SQL Server]VMのコア数が少ないと無駄に
SQL Server 2014で無駄をなくすポイントは、「何についてライセンスを取得するか」だ。具体的には、個々のVMについてライセンスを取得するか、物理サーバーについてライセンスを取得するかという点である。SQL Serverには3種類のエディションがあるが、ここでは、大規模システム向けでライセ…
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[総論]ライセンス体系は大きく三つに分類
プライベートクラウド上の仮想マシンでWeb系システムを運用している。CPUがボトルネックになってきたので、仮想マシンに割り当てるCPUを増やそう――。当たり前の対応のようだが、実際はそう単純ではない。システム構成を変更すると、ソフトウエアのライセンス料も変わってくる。「CPUを一つ増やすだけでライ…
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[Microsoft Windows Server]エディションを変えて無駄をなくす
サーバー向け商用OSのWindows Server 2012 R2のライセンスについて解説しよう。Windows Serverでは、サーバーライセンスとCALを別個に検討する必要がある。サーバーライセンスで注意すべき点は「適切なエディションを選択しないと無駄なコストを支払うことになる」ことだ。