開発支援ツールベンダーのグレープシティ(仙台市)は、ITpro EXPO 2014において業務アプリケーション開発ツール「Forguncy(フォーガンシー)」を出展した(写真1、関連記事:グレープシティ、方眼紙のデザインを備えExcelと同様の操作でWebアプリを作れる新製品)。この展示は、ITpro EXPO AWARD 2014の「ITmediaエンタープライズ賞」を受賞した。

写真1●グレープシティの業務アプリケーション開発ツール「Forguncy(フォーガンシー)」の画面
写真1●グレープシティの業務アプリケーション開発ツール「Forguncy(フォーガンシー)」の画面
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 Forguncyは、“事情通”には大胆なネーミングだと思われることだろう。表計算ソフトの「Excel」のセルを方眼紙状にしてきめ細かい帳票を作成・編集する手法(いわゆる「Excel方眼紙」)をもじった名称である。Excel方眼紙はExcelの解説書などでしばしば紹介される定番ノウハウだ(関連記事:Excel方眼紙を究める)。

 しかしながら、このノウハウは表計算ソフトの本来の使い方からやや外れている。作成されたファイルの再利用性にも難がある。ITproが2014年3月に掲載した「『Excel方眼紙』の何が悪い?」という記事は、Twitterなどのソーシャルメディアなどで賛否両論を巻き起こし、年間アクセスランキングでもベスト3に入りそうだ。良くも悪くもIT関係者の間で論議を呼んでいるのが「Excel方眼紙」である。

拒否反応強い「Excel方眼紙」をあえて前面に

写真2●グレープシティ第1ツール開発事業部製品戦略室の八巻雄哉プリンシパルエンジニア
写真2●グレープシティ第1ツール開発事業部製品戦略室の八巻雄哉プリンシパルエンジニア
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 グレープシティはあえてこれを製品名とし、前面に出している。方眼紙帳を模した販促グッズも作った。

 製品企画を担当する第1ツール開発事業部製品戦略室の八巻雄哉プリンシパルエンジニア(写真2)は「『Excel方眼紙』という手法があまり良く思われていないことを承知のうえで、反響を狙ってForguncyと名づけた。その結果は想像以上だった」と話す。

 実際に、ITpro EXPO 2014のグレープシティの小ぶりのブースに3日間で700人以上が押し寄せた(写真3)。

写真3●ITpro EXPO 2014会場内のグレープシティブース。並べたノートパソコンでひたすらデモを見せた
写真3●ITpro EXPO 2014会場内のグレープシティブース。並べたノートパソコンでひたすらデモを見せた
(撮影:後藤究)
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 カタログを受け取った人の9割方がデモも見たという。デモ用に3台用意したパソコンでは足りず、2日目から1台増設したが、それでもデモを待つ行列は絶えなかった。