「今年のITpro EXPOでは、あえてエンターテインメント性を前面に出す展示をした。狙い通り来場者に注目され、ITpro EXPO AWARD 2014も受賞できて本当に良かった」

 ビーコアの水野廉郎代表取締役はうれしそうに話す。同社はITpro EXPO 2014で、バーコードや2次元バーコードの代わりに、色の並び順を使って番号・データを表す自動認識コード技術「colorbit(カラービット)」を出展した(関連記事:ビーコア、色コードを使ったARのデモを公開)。これがITpro EXPO AWARD 2014の優秀賞に選ばれた。

写真1●ビーコアの「colorbit(カラービット)」を使ったAR(拡張現実)のデモ
写真1●ビーコアの「colorbit(カラービット)」を使ったAR(拡張現実)のデモ
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 ブースでは、カラービットを表すブロックにスマートフォンのカメラを向けると、その色パターンに応じた画像がAR(拡張現実)として浮かび上がるデモを披露した(写真1)。具体的には、CGキャラクターの「ユニティちゃん」(関連記事:「ユニティちゃん」に秋葉原の街を走らせてみた)のポーズや衣装が変わる(写真2、3)。カメラの角度を変えると、ユニティちゃんの横顔や後ろ姿も見ることができる。

写真2●スマートフォン画面では5色のブロックの上にユニティちゃんが現れる
写真2●スマートフォン画面では5色のブロックの上にユニティちゃんが現れる
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写真3●色のパターンによって異なるポーズのユニティちゃんが出てくる
写真3●色のパターンによって異なるポーズのユニティちゃんが出てくる
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書籍や医薬品の管理で導入先行

 カラービットは、赤・緑・青の3色の並び順でデータを表す。並びが長ければ長いほど多くのデータを表せる。

 印刷面積当たりのデータ量は2次元バーコードより少ない。だが、2次元バーコードはカメラをある程度近づけるか、大きめに印刷しないと読み取りにくいのに比べて、カラービットは遠くから、あるいは小さめの印刷でも読み取りやすい。複数のコードを同時に読み取れるのも特徴である(上の写真3)。

 ビーコアは、カラービットの特性を生かした業務用ソリューションを提供している。例えば、図書館で本の背表紙に細長いカラービットを付けて在架状況を管理したり、細長い箱が並ぶ手術用医薬品のケースにカラービットを付けて管理したりする仕組みを実用化している。こうした業務用途のソリューションが売上高の大半を占める。