東京オリンピックが開催される2020年に向けて、日本経済は成長軌道を描く。千載一遇の好機をとらえ、課題を解決し日本の輝きを取り戻せ―。ユーザー企業のCIO(最高情報責任者)とITベンダーの経営幹部13人が議論を交えた「ITpro EXPO 2014 ステアリング・コミッティ」。世界が認める「ジャパン・クオリティ」をICTで鍛える道筋などを宣言にまとめた。

写真●「ITpro EXPO 2014 ステアリング・コミッティ」の模様
写真●「ITpro EXPO 2014 ステアリング・コミッティ」の模様
8月21日に東京・品川のホテルで開催した。このステアリング・コミッティは2011年に発足し、今回で4回目(写真:新関 雅士)
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 「欧米企業は20年も前から業務の標準化に取り組み、グローバル一体運営を実現した。その点、日本企業は大きく立ち遅れており、このままでは競争に勝てない」「コアでない業務は徹底的に標準化し、その上に世界が評価するジャパン・クオリティ(日本品質)のサービスを乗せる。それが日本企業の強みになる」。

 ユーザー企業のCIOとITベンダーの経営幹部との議論の場として、日経BP社が年に一度開催する「ITpro EXPO ステアリング・コミッティ」では、日本の発展や日本企業の成長に向けてのICT活用について討論する。議論の成果は「ITpro EXPO ステアリング・コミッティ宣言」として公開するとともに、10月に開催するICTの大型イベント「ITpro EXPO」の企画にも生かす。

 4回目となる今回は、成長のアクセルを踏む日本企業の特質をあぶり出し、弱点を克服し強みを伸ばすためのICTの役割を中心に議論が進んだ。焦点となったのは、欧米企業に比べ遅れている業務の標準化と、製品やサービスでジャパン・クオリティを生み出す現場力の向上を両立させるために、ICTをどう活用するか。CIOとベンダーの経営幹部が激論を戦わせた。