日本IBMは、ITpro EXPO 2014の展示ブースで、POWER8プロセッサ搭載サーバーを中心に、ビッグデータとクラウドにフォーカスを当てて製品サービスを紹介する。展示の大テーマは「Infrastructure Matters」(インフラストラクチャー・マター)で、日本語訳として「飛躍の決め手は、ITインフラ」(仮)を掲げる。背景には、堅牢性やパフォーマンスなどのインフラ技術がクラウドやビッグデータを支えているという状況がある。


写真1●IBMの展示ブースのイメージ(出典:日本IBM)
写真1●IBMの展示ブースのイメージ(出典:日本IBM)
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 日本IBMの展示ブースは、大きくビッグデータとクラウドの切り口で展開する(写真1)。それぞれの展示コーナーでは、パネル展示ではなく液晶ディスプレイを用いて、ビデオ動画とPowerPoint資料による動きのあるプレゼンテーションを実施する。サーバー機やストレージについては、持ち込めるものについては実機を静態展示する。

 ビッグデータ分野では、四つのテーマを掲げて展示コーナーを用意する。(1)POWER8プロセッサを搭載したサーバー、(2)Hadoopベースのビッグデータ分析ソフト、(3)データを高速に読み出すためのオールフラッシュストレージ、(4)手軽に大容量データを扱えるようにするUSB接続型のテープ装置、---である。

 一方、クラウド分野では、三つのテーマを掲げて展示する。(5)クラウドでの利用を想定したストレージ製品、(6)プライベートクラウドに適したミドルウエア2種(仮想サーバーのプロビジョニングソフトと分散ストレージソフト)、(7)同社が展開しているパブリッククラウドサービス、---である。

 展示ブース内には、展示コーナーと連動したミニシアターも用意する。展示コーナーそれぞれに合わせて約15種類の講演コンテンツを用意する。

POWER8搭載サーバー新製品の実機を2台展示

 (1)ビッグデータ向けの展示製品の一つめは、POWER8搭載サーバーである。

 なお、POWERプロセッサとは、同社のAIX(UNIX)やIBM i(オフコンOS)などが稼働するサーバー機「Power Systems」に搭載されているRISCプロセッサである。最新版はPOWER8で、2014年4月に発表したPOWER8搭載サーバーの第一号機種は「ビッグデータ向けにデザインした最初のサーバー」として登場した。

 展示ブースでは、POWER8プロセッサを展示するとともに、POWER8を搭載したサーバー機の実機を2台持ち込んで展示する。ビッグデータ分析用のアクセラレーターをセットにしたLinux専用機「IBM Power S824L」(写真2)と、スケールアウト型の「Power E880」である。いずれも2014年10月6日に発表したばかりの新製品で、S824Lは2016年初めの出荷を、E880は10月31日の出荷を予定する。

写真2●IBM Power S824Lの外観
写真2●IBM Power S824Lの外観
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 POWER8サーバーの関連情報として、POWERプロセッサで動作するアプリケーションを増やすためのパートナー活動の試みである「OpenPOWER Foundation」についても紹介する。こうしたアプリケーションパートナーとの協業の例は、現在では50種類を超えている。

 OpenPOWER Foundationの具体的な成果として、POWER8と米NVIDIAのGPUを組み合わせてJavaの処理を高速化するアクセラレーターについて紹介する。JavaのワークロードをGPUで高速化する例は珍しいとしている。先述した新サーバーのIBM Power S824Lは、このアクセラレーターを搭載する初めてのサーバー機となる。